不動産相続
相続税対策としてアパートを建築する方法があり、この方法は相続税対策として効果的な反面、当然リスクもあります。
しかしリスクや注意点を考慮して、上手に利用すると相続税対策に有効です。
そこで相続税対策として、アパートをうまく利用する方法や注意する点を紹介します。
相続税対策として効果的なアパート建築
現金をそのまま持っている状態で、亡くなった場合、現金のそのままの金額が相続税の評価額になります。しかし不動産の場合相続税の評価額は、現金より評価が下がる傾向があります。
土地の相続税の評価額は、土地は更地のままですと自由に使えますが、アパートを建築すると自由に使えなくなるため、借地権割合と借家権割合をかけた分が土地の評価額から控除されるので、土地の評価額が下がります。建物の評価額は固定資産税の評価額で決まりますが、固定資産税の評価額は建物の建設費の5割から6割程度で、賃貸アパートの場合は貸家としての評価となり、借家権割合があるので、建設の建築費の3割から4割程度の評価です。
またアパートの建築を借入金でまかなうと借入金は債務になり、相続税ではマイナスの財産になるため、プラスの財産から引くことができ、さらに評価が下がります。そのため相続税対策として有効です。
アパート建築におけるリスクと注意点
アパートの家賃収入が入りますが、家賃収入が増えると、所得税や住民税など税金を支払っていかないといけません。アパートが空室になると、その分家賃収入が減ってしまい、家賃収入でアパートの借入金を返済していく計画を立てていても、返済していくのが困難になります。建物も古くなると修繕する必要が出てきて、修繕費用も必要です。15年経つと減価償却費が減るので、その分所得税が上がり、現金収支が悪くなる可能性があります。
またアパートを建てた後、遺産相続があった場合、相続人でどのように分けるかで、もめてしまいトラブルになりやすいです。現金ではあれば、1円まで平等に分けられますが、不動産は分けにくいため共有にすることが多く、共有にすると争いの原因になることもあります。
相続税対策として上手にアパートを利用する方法
相続税対策としてアパートを建築する際、借入金が多いと、その分相続税が安くなりますが、利息をつけて返済していくのに、アパートの家賃収入が減ると返済が困難です。アパートを建築する時に借入金が多すぎないか、住民税や所得税などの税金を支払うことや、アパートは常に満室と限らず、空室になるリスクを十分考えて、しっかりとした収支計画を立てておきます。
アパートの入居率が高いと安定した収入を得られますが、管理会社の対応も影響するので、不動産会社選びも重要です。万が一途中で資金繰りが苦しくなった場合は早めに専門家に相談する事が大切です。
また相続が発生した際、相続人で争うことがないように相続人間でも話し合っておきます。
アパート建築を行うか慎重に判断
相続税対策として効果があるアパート建築ですが、長い期間で考えると効果がある場合と効果が少ない場合があります。効果は建築する際の借入金やアパートの入居率などに左右されやすいです。アパート建築の際のメリットやデメリットを比較し、土地や相続人の状況を考慮して決めましょう。