その他不動産売却
不動産を売却する前に!成年後見制度を利用する必要あり
不動産売却は一般的に名義人本人である親の売却の意思が確認できなければ手続きできないようになっていて、親が認知症になってしまった場合、判断能力がないので売却の意志が確認できません。
このように名義人である親が認知症になってしまった結果、不動産売却ができない場合に利用されているのが成年後見人制度と呼ばれているものです。成年後見人制度は認知症や精神疾患などの理由で判断能力が十分でないとされる成年に対して後見人を選定できる制度で、後見人が本人の代わりに財産管理や介護施設の契約、遺産分割の協議への参加などを行ないます。
後見人には親族や弁護士、司法書士などが選定されやすく、親の代わりに後見人を通じて不動産売却の手続きを進められるようになるので上手く活用する必要があります。
売却するためには家庭裁判所の許可が必要
では成年後見人制度を利用すればスムーズに不動産売却ができるのかと思われがちですが、その前に家庭裁判所からの許可を貰う必要があります。
これは不動産売却をするための許可であり、被後見人である親のどの不動産を処分するのか、誰に対して処分するのか、どのような価値や条件で処分するのか、そもそも処分が必要なのかどうかを家庭裁判所に提示しなければいけません。つまり被後見人のための手続きかどうかを確認するためのものなので、後見人となった場合は必要となる書類を家庭裁判所に申請する必要が出てきます。
そこで家庭裁判所から許可が出ればようやく不動産売却の契約を結べるので、子供たちの都合で行なうわけではない旨を家庭裁判所に証明するのが重要なポイントだとされています。
スムーズに売却するために!押さえるべきポイント
親が認知症になってしまった場合の不動産売却で押さえておきたいポイントとしては、まず成年後見人制度を早期に利用するところが重要です。この制度を利用するためには家庭裁判所への申請が必要になってくるので手続きに時間がかかりやすく、不動産売却を検討した頃では間に合わない場合があります。
そのため親が認知症になってしまった段階で早期に成年後見人制度を利用するのが大切ですし、不動産売却をどのタイミングで行なうのか検討するのもスムーズな手続きのためには必要となるポイントです。特に理由によっては親族間での争いやトラブルの原因にもなりやすいので、弁護士などの専門家を挟んで相談しながらタイミングを決めるのも必要になります。
認知症が増えてきているからこそ不動産売却も考えなければいけません
近年高齢化に伴って親が認知症になってしまうケースは増加してきており、不動産売却のトラブルの原因となりやすいようです。そしてそれは親だけではなく将来自分が認知症になってしまった場合にも当てはまるので、スムーズに対応するために事前に不動産売却に必要な手続きや制度を把握しておきましょう。それは結果として、自分の将来の備えにも繋がっているのです。