任意売却

競売とここが違う!任意売却のメリット
任意売却は、通常の不動産売却と同じように自分の意思で不動産を売却することが可能なことが大きな特徴で、買い手も競売とは違って仲介者から説明を受け物件の内覧をすることができます。
競売では裁判所で行われる入札方式によって強制的に不動産の買い手を決めますが、その価格は通常取引の価格から60%減額してスタートする最低価格で強制的に相手へと売却されてしまうケースも存在します。ですから任意売却によって一般的な取引とほぼ同様に不動産が売却されることは、売主にとって経済的にも大きなメリットだと言えるでしょう。
ただし任意売却には競売と違ってタイムリミットが設けられているため、通常の不動産取引の市場価格より高い値段で売買取引することは難しいでしょう。他には任意売却は競売のように物件情報が漏れないことや、退去日が相談で決められるなどのメリットもあります。
債務者以外にもメリットがある任意売却
任意売却には、債権が共有名義の場合やその債権の連帯保証人・連帯債務者などにも迷惑がかかりにくいというメリットが挙げられます。
例えば不動産の住宅ローンが夫婦の共有名義ならば夫婦がお互い合意に達してから手続きを進めていくこともできますし、物件調査は宅地建物取引士が行い直接話しにくいことは仲介者に調整を任せていきます。登記に関する手続きは司法書士が行い管理費の延滞状況や債務返済の清算トラブルがないように取引がなされるので、基本的には通常の不動産取引と変わらず結果的に共有者・連帯債務者・連帯保証人への迷惑を最小限にくい止められるのです。また任意売却する前に債権者への根回し交渉も可能ですから、結果として関係者全員が納得できることがメリットでしょう。
メリットばかりではない!任意売却のリスクとは
任意売却をする前には、担保割れの状態では不動産売却時に通常の取引交渉が開始できないため数カ月の滞納をすることになります。それによって債務者本人の信用情報が信用情報機関に事故情報として登録されるというリスクがあります。事故情報は登録時点から5年は消滅せず、その間新たなローンやクレジットカードを組むことはできません。また任意売却するには債権者の同意が必要ですが、金融機関が任意売却を拒否する場合のリスクも想定されるのです。
ローンの返済に苦しんでいる人の気持ちに付け込み、不動産の転売目的で不動産を安く買い叩こうとする悪質な業者もいます。このような業者は一見親切な専門家を装いますので、なかなか見分けがつきにくいのです。ですから任意売却の取引をすることに対して、必ずしも100%の安全を求めることができないのはリスクと言えるでしょう。
メリットとリスクの両方を見極める!
任意売却をすることで信用情報機関にマイナス情報が登録がされたり、不動産を安く買い叩こうとする悪質業者を警戒しなくてはいけなくなるというリスクが発生します。しかし任意売却が一般的な不動産取引とほとんど変わらないことが、関係者に経済的なメリットをもたらしてくれることは確かです。